新卒採用の内定取消し、止まりません・・・。日本綜合地所、53人の内定を取り消し。学生は団体交渉へ。

厚生労働省発表「新規学校卒業者の採用内定取消しへの対応について」」に引き続き、今朝の日経新聞にてとんでもない記事が入ってきました・・・。

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日本綜合地所、53人内定取り消し 一部学生が団交へ

 マンション分譲の日本綜合地所(東京)が来春入社予定の大学4年生53人全員の内定を取り消したことが28日、分かった。一部の学生は個人加盟できる地域労組「全国一般東京東部労組」に加入して、同社側に金銭補償などを求めて団交を申し入れている。

 日本綜合地所が内定者に取り消しの通告をしたのは17日。電話で個別に連絡し「担当役員が自宅まで説明に行く」と伝達したという。同社経営企画部は内定取り消しの経緯について「まだ学生への説明が終わっておらず、現段階では詳しいコメントはできない」としている。

[11月29日/日本経済新聞 朝刊]


この記事において、特徴的だと感じたことが数点あります。


(1) 舛添厚生労働相が「(合理的理由のない)内定取消は違法である」と言明したこと

(2) 内定を取り消された学生が、企業に金銭補償などを求めて団交を申し入れている

(3) 東証一部上場企業であるが故に、公開をせざるを得なかったのではないかという点

(4) 東証一部上場企業であるが故に、株主からの声や、リストラ姿勢を見せるためにも、内定取消をすることが得策だと考えたのではないかという点


まず(1)に関して。

内定とは、一種の雇用契約でありその破棄(内定取り消し)は「解雇通告」と同等の扱いであると考えられます。(もちろん、学生側が内定を辞退するのは憲法の「職業選択の自由」が優先されるため、何ら問題ないのですが。)

ただし、就職協定のあった昔とは異なり、今は内々定や内定に関する明確な法的指標がないとも言われています。

つまり、これまでは明確な法的ガイドラインがなく、白でも黒でもなく、グレーゾーンだったと言えると思います。もちろん我々としては、「内定取消は解雇にあたる」であろうという見方をしていましたが、あくまで、“であろうという見方”だったわけです。

しかしながら、厚生労働大臣の口から、「(合理的理由のない)内定取消は違法である」と言明された事により、グレーが限りなく黒に近づいたと考えています。

もちろん、括弧書きにある“合理的理由”という抽象的表現が気になりますが。「業績悪化」は、資本経済社会においては「合理的」と言えてしまうのではないかとも思います。


次、(2)について。

なるほど、よく考えてみれば「内定取消」が「解雇」にあたるの出れば、「不当解雇」として異議申し立てをすることが可能ですね。

個人では無理でも労働組合。まだ就職していないので労働組合に加盟していないので、個人で労組に加盟。「個人加盟できる地域労組」があるとは知りませんでした。

数人の内定者であれば同期が少なくなかなかここまではできなかったでしょうが、53人の内定者がいれば、うち1割の人間でも5名。2割なら10名です。

これにより学生側の権利が認められるようなことになれば、拍車が掛かってしまった感のある内定取消増の抑制効果も出てくるかもしれません。

ちなみに下記は団交(団体交渉)についてWikipediaより引用。
団体交渉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

団体交渉(だんたいこうしょう)とは、労働組合法に基づいて設立された労働組合が、使用者又はその団体と労働協約の締結その他の事項に関して交渉すること。団交(だんこう)と呼ぶことも多い。

団体交渉における交渉事項は、法律では特段決まっていないが、賃金や労働時間などの労働条件が想定されている。労働者が団体交渉を要求した際に使用者が団体交渉を拒否できない事項を義務的交渉事項という。人事権や経営権(企業の生産計画など)については、交渉できるかどうかについて学説が分かれる。

使用者は、誠実交渉義務により、労働組合より申し入れられた団体交渉を正当な理由なくして拒否する事はできない。拒否した場合は不当労働行為となる。(労働組合法第7条第2号)。

労働組合は労働組合法第6条に基づき団体交渉を第三者へ委任する事が可能で、これをもって、上部組織や下部組織、外部の労働組合が交渉に参加する権限を持つ。

(3)・(4)については、「上場」というものについて色々と考えさせられます。

資本の力(発言力)というのはやはり大きなもので、「上場」には確かにメリットはあれど、アイデンティティーを失いがちであることが、やはりデメリットとしてあると思います。(もちろんそれだけでなく、内部統制等の必要性から、上場してからのランニングコストが大きく、上場を断念する会社も多いですが。)

日本綜合地所ホームページ(IRページ)
http://www.ns-jisho.co.jp/ir/

決算期     05/3期 06/3期 07/3期 08/3期 予09/3期
当期純利益  3,216  3,750  3,791  4,646   60  (百万円)

業績の、この急激な凋落ぶりでは内定取消を断行するのも、
納得と言えば納得ですね・・・。


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この記事へのコメント

2008年11月29日 20:40
はじめまして。メーカーで採用業務を4年ほど従事していた者です。「内定ゼロなんて都市伝説」なんて言っていた世代の学生達なのに・・・。内定先を選択した自己責任は学生達にありますが、それにしてもトカゲの尻尾切りのように学生の内定取り消しを断行する企業に将来性は期待できないし市場も信用しようとはしないでしょう。この企業の社長と人事担当役員の考えに疑問を覚えました。
コメントありがとうございます。
確かに、この企業さんの決断は決して誉むべきものではないですが、「長年会社に勤めてくれた人」をリストラするか、もしくは、断腸の思いで「夢と希望を持って、自社に入ってきてくれようとしている学生」の内定を取り消すのか・・・。経営って難しいですね。特に上場してしまうと。
「企業の10年後は採用を見ろ」という言葉がある一方で、「“リストラする会社に未来は無い”ということが事実ではない」ことは、日産の例が示していると思います。

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